メニュー

二次性高血圧

腎実質性高血圧

腎臓の働きが低下することにより、塩分などの物質が体にたまることで血圧が上昇します。腎不全の治療と同様に塩分制限(目標は1日6g未満)が重要です。ゆっくり腎臓の働きが低下した場合は、その改善は困難なことが多く、降圧剤を調整して治療していきます。目標血圧までの治療は難しいことも多く、降圧剤をいろいろ併用しながらコントロールしていきます。

腎血管性高血圧

腎臓に血液を送る腎動脈(腎臓・高血圧内科 腎臓の構造や機能についても参照してください)が狭窄することで発症します。おしっこをつくるために血圧を上げて狭窄した部分に血液が十分に流れるようにしようとします。結果、高血圧となります。比較的高度の高血圧になることも多いです。ホルモン採血や経過などから疑い、超音波(エコー)やCT・MRIなどの画像検査で診断します。最終的にはカテーテルによる造影検査を行い、血管の内側から拡張する手術をすることがあります。動脈硬化によるものが多いですが、若年者では大動脈炎症候群(高安病)や線維筋性異形成といって特殊な病気に併発することがあります。後二者では手術による効果も高く、疑うこと、診断することが重要です。

原発性アルドステロン症

副腎といって両側の腎臓の上にある小さな臓器から、アルドステロンという血圧を上げるホルモンが過剰に分泌されることで発症します。アルドステロンなどのホルモンの採血検査の結果などから疑いが出た場合は、CTなどの画像検査やカテーテル検査などから確定します。片側の副腎のみの異常の場合は、副腎を摘出する手術で血圧の改善や治癒が期待できます。ホルモンに関する二次性高血圧の中では一番多いものです。手術適応がなくても、効果の期待しやすい内服薬もあり、診断が重要です。

クッシング症候群(Cushing症候群)

副腎といって両側の腎臓の上にある小さな臓器から、コルチゾールという血圧を上げるホルモンが過剰に分泌されることで発症します。コルチゾールはいわゆるステロイドホルモンです。血圧を上げる以外に、顔や胸腹部に皮下脂肪を増やしたり、血糖を上昇させるなどいろいろな作用があります。そのような他の症状が出現し疑われる場合もありますが、血圧以外は異常がない場合もあります。疑われた場合はコルチゾールなどのホルモンの採血検査を行います。
治療は内服薬や原因部位(脳下垂体や副腎など)に対する手術・放射線療法などがあります。

褐色細胞腫

副腎といって両側の腎臓の上にある小さな臓器あるいは神経系の細胞から、カテコールアミンという血圧を上げるホルモンが過剰に分泌されることで発症します。頭痛・動悸・発汗・顔面蒼白・体重減少などの特徴的な症状を認めることが多いです。ホルモン採血検査で疑い、CTなどの画像検査で確定します。治療は手術が検討されます。

薬剤性高血圧

痛み止めや漢方(甘草を含むもの)などある種のお薬で血圧が上昇する場合があります。その場合は薬の変更や中止などを相談します。同じ薬でもすべての人が反応するわけではありません。お薬をやめる場合は処方した先生にも相談するようにしてください。

その他に、甲状腺ホルモンの異常、副甲状腺ホルモンの異常などがあります。

二次性高血圧は全体に高度の高血圧を示すことが多いですが、比較的軽症の場合もあります。各種採血検査や発症の経過、その他の症状などから疑うことが大事です。原因を特定し治療ができる場合は、降圧剤の内服が減ったり、いらなくなることがあります。また、ホルモン異常によるものの場合は、血圧がお薬で管理できても、血圧を上昇させる以外の作用で体に負担をかけたり、症状が出る場合があります。疑われる場合は相談するようにしてください。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME